豆知識その1
水の話
水の話
硬水と軟水
ミネラルウォーター 水の性質を表わす一つに古くから硬水(硬い水)、軟水(軟らかい水)という言い方がされてきました。おいしさを決めるのはその硬度だけではありませんが、大きな要素であることは確かなようです。硬度とは水の中に溶けているカルシウムとマグネシウム(ミネラル成分)の合計量を表わしたもので、10〜100mg / l 程度の適度に含まれる軟水が美味しいとされ、日本の多くの市販ミネラルウォーターがこの範囲に入っています。もちろん、当社の仕込水(硬度14.3mg/l)もこの範囲に入っています。このような軟水は、物の香りや味を引き出す力があり、香りを大切にするものに最適な水です。しかし、硬水はミネラル成分を豊富に含むことから、日常生活で不足気味な金属イオンを補う上でも、美容や健康にはよい水と言えます。時と場合によって水を選ぶことは、私達の生活にとって非常に重要な事かもしれません。

水の硬度と醸造
焼酎発酵タンク 昔から醸造は鉄分やマンガンが少なく有効なミネラル含む硬水がよいと言われていました。これは、水に含まれるカルシウム、マグネシウム、カリウム、クロールなど、微生物の育成や麹の糖化に必要な成分が十分に含まれているためで、安全な醸造が行われるために、このような成分が十分に含まれる水、即ち硬水がよいとされてきました。確かに、昔は現在のようにもろみの温度管理のための冷却設備が十分でなく、腐造しやすい環境にあったため、そのような水が重宝がられました。しかし、現在のように消費者の嗜好の変化と共に、安全に醸造されるお酒だけでなく、嗜好の変化に応じたお酒が造られ始めました。吟醸酒などがその代表的な例です。吟醸酒の製法の一つに、低温長期発酵が上げられます。これは、低温でもろみ期間を長く発酵させると言うことですが、ここで決め手となるのが冷却設備の有無と水にあります。近年では、醸造工業の進歩により二重タンクやチラー設備、熱交換器、製氷機など、冷却に必要な要件がみたされてきました。また、もろみの発酵温度をコントロールすると言うことは、即ち、発酵と糖化のバランスを制御すると言うことであり、酵母や麹の育成、酵素の溶出に必要なミネラルは、逆に多すぎるとその制御が困難な状況となります。したがって、長期低温発酵ような極限の発酵や糖化を行わせるためには、余分なミネラルはむしろ邪魔になる場合があり、水の加工技術の進んだ現在では、醸造ではむしろ軟水が適していると言えます。焼酎も同じ事で、軟水で仕込むと発酵が穏やかで長期熟成もろみとなり、蒸留された焼酎はやさしい味わいが特徴の焼酎となります。

水の硬度と料理
和食と清酒 日本料理には、「軟水」の水が合うと言われています。とくに高度50度以下の水が適しています。日本料理によく使われる鰹節や煮干しなどに含まれるタンパク質は、硬水中に多く含まれるカルシウムと結合しやすく、「旨味」を灰汁(アク)として出してしまうので、日本料理独特の微妙な味が出せなくなってしまいます。またお米を炊く場合や、野菜を茹でるときにも硬水を使うとカルシウムが植物組織を硬化させるため、パサパサに仕上がってしまうので気をつけるよう心がけましょう。一方、西洋料理には「硬水」が合うと言われています。パスタにコシを与えたり、とくに硬いスジ肉を柔らかく煮込みたいときには、硬度300度以上の硬水がよいと言われています。これは日本料理のときには悪影響を及ぼしたタンパク質とカルシウムが結合しやすいという性質を利用することで、肉を硬くする「硬タンパク質」と言われる物質を灰汁として煮汁に放出してくれるなどからです。逆に硬度が高すぎてもスープの味そのものに影響してしまいますので気をつけて下さい。


豆知識その2
焼酎のお湯割りを楽しむための4つのポイント
・「」は、軟水か?硬水か?
・「温度」は、ぬる燗?あつ燗?
・「作り方」は、どっちが先?お湯?焼酎?
・「酒器」は、ガラス製?陶器製?

水は
 本格焼酎本来の旨味や、丸味を味わいたいなら軟水、またキリッとした味わいが好みなら硬水といった具合に好みに応じて水を使い分けることも楽しさの一つかもしれません。 しかしながら、本格焼酎含まれる脂肪酸エチルエステル(焼酎油)は水のミネラル分と化学的に結合し長い時間をかけて沈殿物を生じる事があります。 焼酎油をたくさん含む焼酎の場合(例えば常圧蒸留酒など)、硬度の高い水を使うと、せっかくの旨味成分がミネラル分と結合し味の調和が崩れてしまうことがあります。 コーヒーやお茶と同様、ミネラルウォーター(硬度100以下の軟水)のご使用をお薦めします。

温度は
 焼酎のお湯割りも清酒のお燗と同様に美味しく感じる温度帯があります。 「黒ぢょか」(鹿児島県の伝統的酒器)を火にかけて燗をつける場合も、蓋が温かくなった程度で火からおろすようにします。 温度で言うと40〜45℃のいわゆる清酒で言う「ぬる燗」にするのがベストです。 もちろん銘柄によって差がありますが、これより高すぎると低沸点成分であるアセトアルデヒド、エチルアルコールなどが刺激となって鼻につくことがあり、風味が台無しになることがあります。 本格焼酎ならではの、ふくよかな香りが良く立ち上がり、甘みやコクを充分に味わうには温度にも気を配りたいものです。 お湯割り用のお湯の温度は、85〜90℃くらいがベストです。割る条件や気温にもよりますが、もし熱湯を出された場合は、お湯を注いでしばらく冷ますか、水を足してやるなど工夫してください。

作り方は
 「焼酎が先か、お湯が先か」よく話題にでてきます。どちらでも同じように思われますが、先にお湯を入れ温度を整えた後、焼酎を注ぐのが良いといわれています。
 また、あらかじめお好みの度数に割り水して、お燗をして楽しむ飲み方があります。しっかり水とアルコールがなじむため、美味しさが増すとも言われています。

酒器は
 ガラスと陶器の大きな違いは、熱伝導率の違いです。陶器はガラスよりも冷めにくく、温まりにくい性質があります。 暖めたり冷やしたりすることが多い焼酎には、陶器製の酒器が向いていると言えます。 ウイスキー類などの蒸留酒のなごりからか、ロックや水割りではガラス製が良く使われていますが、氷の溶けなどを考えた場合も、陶器製のものが最後まで美味しくいただけたりします。 好みや雰囲気もあり必ずしも陶器がよいと一方的に薦めるわけではありませんが、お酒の文化と同様、日本には古くから陶磁器が焼かれ、地域の文化を形成しています。 ワインを飲むにはワイングラスにもこだわるように、日本の伝統文化や焼酎を愉しむためにも酒器にこだわってはいかがでしょうか。 ちなみに有田焼には「香酒盃」、「至高の焼酎グラス」と言った焼酎専用の酒器があります。
リンク;陶”楽座「香酒盃」はこちら
リンク;匠の蔵「至高の焼酎グラス」はこちら

気分は穣醸

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